2022.11.13
白内障の症状とは?原因や見え方、治療(手術)方法について徹底解説

この記事の執筆者

熊田充起 くまだ眼科クリニック 院長
常日頃意識しているのは、「治す眼科医療」をめざすこと。日帰りでの白内障手術を数多く手がけるほか、緑内障の早期発見や小児眼科など、幅広い患者様のニーズに対応。
白内障とは
白内障とは、水晶体の濁りです。水晶体とはカメラでいうならレンズです。カメラのレンズが曇っていては綺麗な写真は撮れません。それと同じで、白内障により水晶体が濁ってしまうと、見えにくいなどの症状がでて、日常生活に支障をきたします。
人は情報の90%を目から得ています。白内障により脳に伝わる画像が鮮明でなくなると、外界から得られるべき情報が妨げられます。外界からの情報が得られないと、運転時に事故を起こす、刺激の低下により認知症が悪化するなど、さまざまな不具合が出てきます。
しかし、ご自身やご家族が白内障になった時、どうしたらいいのか、わからないことが多いのではないでしょうか?
白内障で知っておきたいこと
- 一度白内障になると、元には戻りません。水晶体の濁りは、タンパク質の変性です。ゆで卵の白身が透明に戻らないのと同じで、元には戻りません。
- 軽度な白内障では、無症状なことがあります。進行すると、さまざまな症状が出ます。軽い白内障で、どうしていいのか、困っている方も多いのではないでしょうか。
参考記事※「軽度な白内障」の症状は?見え方 や治療方法・手術費用について解説!※ - 白内障は両目と片目の場合があります。また、両目が白内障でも左右差がある場合があります。
- 白内障以外にも、白内障と似た症状がでる病気が他にあります。眼科を受診して、白内障であることを検査する必要があります。
- 白内障を放置すると、急性緑内障発作を起こすことがあります。しかし、急性緑内障発作を起こしやすい目は、白内障手術をすることで、急性緑内障発作を予防できるということは知っておく必要があるでしょう。
- 白内障の治療は、手術しかありません。手術以外では、進行を遅らせる目薬がありますが、濁った水晶体が透明になるわけではありません。
- 白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズに入れ替える手術です。
- 白内障手術は、安全性が高い手術ですので、過度に心配する必要はありません。しかし、白内障手術のリスクも理解した上で、手術を受けることが理想でしょう。
参考記事※白内障治療の費用は?手術期間やリスクについても徹底解説※ - 眼内レンズの種類には、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズ(遠近両用眼内レンズ)があります。多焦点眼内レンズにご興味がある方は、是非、ご相談ください。
参考記事※白内障レンズの種類や寿命・保険適用について解説!※
白内障の原因
加齢によるものが殆どです。早い人だと40歳から50歳で発症します。
その他、糖尿病、外傷、先天性(生まれつき)、アトピー性皮膚炎、他の目の病気の合併症、内眼手術後の合併症、薬剤による副作用、全身疾患の合併症などが原因となります。
白内障は、原因により、さまざまな違いがあります。原因により悪化するスピードや手術リスクなどが異なります。
とりわけ、糖尿病は日本には2000万人以上の患者がいると言われていている国民病です。糖尿病による白内障は、ぜひ知っておいた方がよいでしょう。
参考記事※「糖尿病性白内障」の特徴は?失明 リスクや手術費用について詳しく解説※
白内障の見え方
白内障の症状
軽度な白内障では、まぶしい、かすむ、目が疲れるなどの症状が出ます。人によっては、自覚症状が出ないこともあります。
進行すると、視力低下、近視の進行(一時的に近くが見やすくなる)、二重三重に見えるなどの症状が出ます。
視力が良いのに、見えにくい
通常の視力検査で良い結果が出ても、見えづらさを訴える方がいます。特に、夕暮れや夜間などの十分な明るさがない時、見えにくいという方がいます。特に、夜間運転時に困っている方が多いのではないでしょうか。通常の視力検査は、十分な明るさで測定をしていますので、白内障の影響を受けずに、良い値が出ることがあります。しかし、コントラストが下がる夕暮れ時や夜間では、正常者に比べ、視力が下がっていると考えられます。
片目の白内障に注意
片目だけが進行すると、人によっては逆の目がカバーするため、生活に困らない場合があります。そのような場合は、知らないうちに、白内障が悪化して手術が難しくなることがあります。このようなケースは、高齢者に多くみられます。片目を隠して、左右ともしっかり見えるか確認してみることも重要でしょう。
白内障の治療
- 白内障の治療は、基本的には手術しかありません。
- 白内障手術は、濁った水晶体を機械で吸い取り、眼内レンズに入れ替える手術です。
- 軽微な白内障では、進行予防の目薬で様子をみてもいいかもしれません。
- 白内障になると、元に戻ることはなく、必ず進行するので、手術のタイミングは重要でしょう。
参考記事※白内障手術のタイミング※ - 緑内障など、他の目の病気にかかっている方でも、ほとんどの場合、白内障手術は可能です。
- 眼内レンズの種類には、保険適用の単焦点眼内レンズと保険適用外の多焦点眼内レンズ(遠近両用眼内レンズ)があります。
参考記事※白内障レンズの種類や寿命・保険適用について解説!※ - 白内障手術の費用は、レンズの種類などで料金が異なります。
参考記事※白内障治療の費用は?手術期間やリスクについても徹底解説※ - どこで受ければいいのか。白内障手術の眼科選びに迷われている方も多いと思います。できれば、納得できるクリニックや病院で手術を受けてもらいたいです。
この記事の執筆者

熊田充起 くまだ眼科クリニック 院長
常日頃意識しているのは、「治す眼科医療」をめざすこと。日帰りでの白内障手術を数多く手がけるほか、緑内障の早期発見や小児眼科など、幅広い患者様のニーズに対応。