くまだ眼科クリニック|058-243-2600

診療案内
【 糖尿病網膜症 】

糖尿病網膜症とは

糖尿病網膜症は、日本人の失明原因の第一位・第二位を緑内障と争う疾患です。
糖尿病の患者様は、日本国内に1000万人~2000万人いると言われています。決して、他人に起こる病気ではなく、いつ自分がなってもおかしくない病気です。また、糖尿病網膜症の患者様も300万人いるとも言われていて、決してめずらしい病気ではありません。
しかし、現在でも、発見するのが遅れ、視力不良な患者様がいることは、非常に残念なことです。
糖尿病網膜症は初期では自覚症状はあまり出ません。自覚症状が出る頃には進行している場合が多いです。
糖尿病網膜症とは、網膜(カメラでいうフイルム)が障害される疾患です。発見が遅れると、網膜が元通りに戻らなくなります。
最近は、糖尿病網膜症の治療は非常に進歩しています。
進行した糖尿病網膜症でも、かなり回復の見込みがあります。
しかし、良い視力を得ようするには早期発見・早期治療が最も重要です。
糖尿病網膜症は、初期には自覚症状がありませんので、症状がなくても定期受診をして頂くことをお勧めします。

糖尿病網膜症の病期

単純型糖尿病網膜
網膜血管が弱くなります。弱くなった網膜血管から血液成分が漏れ出たり、弱い網膜血管にコブができたりします。
網膜血管から血液が漏れると網膜出血を起こします。
網膜血管から脂肪やタンパク質が漏れると硬性白斑(網膜のシミ)ができます。
網膜の細い血管が弱く血管の壁が膨れ上がってしまうと、毛細血管瘤(網膜血管のコブ)ができます。
この時期は、これ以上悪くならないように慎重な経過観察が必要になります。
病状によっては治療が必要なこともあります。

前増殖糖尿病網膜症
網膜血管がつまり、網膜に栄養や酸素がいかなくなります。
網膜血管がつまると軟性白斑というシミができます。
この時期に、レーザー光凝固を受けないと、次に説明する増殖糖尿病網膜症へ進行してしまいます。

増殖糖尿病網膜症
網膜血管がつまって、酸素がいかなくなると、眼球内のあらゆる場所に新生血管ができてしまいます。
新生血管とは、血がいかなくなった場所に「酸素を送らなければ」と突貫工事(とっかんこうじ)で作った血管です。そのため、正常の血管と比べると、新生血管は弱く簡単に出血します。
新生血管ができる場所は、いろいろです。
網膜に新生血管ができると、硝子体出血(眼内が血だらけの状態)や増殖膜(新生血管がつくった膜)や網膜剥離(増殖膜が網膜を引っ張って、網膜がはがれます)などが起きます。
虹彩(茶目)に新生血管ができると、隅角(眼内の水の出口)をふさぎ、眼圧が上がり、緑内障になります。
この時期になると、失明する危険があります。
治療は、レーザー治療や眼内注射や硝子体手術など、病状によって治療がいろいろ必要になります。

糖尿病黄斑浮腫
①~③の全ての病期で起こる可能性があります。
網膜(カメラでいうフイルム)の中央には、黄斑という部分があります。黄斑は、文字を読んだり、色を感じたりする場所です。
糖尿黄斑浮腫は、黄斑がむくむ状態です。視力が下がります。
放置すればするほど、元に戻らなくなります。
治療は、硝子体内注射(眼内へ注射)やステロイドのテノン嚢注射(眼の裏側への注射)が行われる場合が多いです。場合によっては、レーザー治療をすることもあります。

糖尿病網膜症の検査

眼底検査
網膜(カメラでいうフイルム)を詳しく調べる検査です。
今までは、瞳孔を広げるお薬を数十分の間に何回も点眼してから眼底検査をしていました。しかし、その検査は、時間がかかることと、検査後数時間見にくくなります。車で来て頂いた患者様は、帰りの運転が心配になることが多かったです。
そこで、当院ではオプトスという無散瞳(瞳孔を広げない)で、広い範囲の網膜を撮影できる特殊なカメラを導入しています。
オプトスは、瞳孔を広げることなく、広範囲の網膜を撮影可能で、撮影は0.4秒で、特別な費用もかからず、帰りの運転の心配もありません。
患者様は帰りの運転の心配もなく、料金も特別かかりませんので、患者様の負担を大きく軽減します。

OCT検査(光干渉断層計)
網膜の断面像をみる検査です。
とくに、網膜のむくみ(糖尿病黄斑浮腫)の検査や管理に有効です。

蛍光造影眼底検査
網膜の状態が、更に詳しく知りたい場合があります。
造影剤を使い、眼内の血管を染めて撮影する検査です。
造影剤を静脈注射して、撮影します。
通常は何枚も撮影が必要になります。当院では、蛍光造影眼底検査でもオプトスを使用しますので、撮影回数も少なく、患者様の負担が少なく行えます。

糖尿病網膜症の治療

レーザー治療
網膜の酸素がいっていない場所などにレーザーをあてます。レーザーをあてることで、網膜の血流をよくし、新生血管ができるのを防ぎます。
当院では、パスカルというレーザー光凝固装置を導入しています。パスカルは、短時間で治療ができ、網膜へのダメージも少なく、患者様の痛みも少ないです。

レーザー治療

マイクロパルス閾値下レーザー(特殊なレーザー治療)
糖尿病黄斑浮腫にたいして、網膜の視細胞にダメージを与えることがない非常に弱いレーザーを照射する治療です。
当院のパスカルというレーザー光凝固装置で行うことができます。
今までに治療が困難であった糖尿病黄斑浮腫に対しても効果が期待できます。

マイクロパルス閾値下レーザー

VEGF阻害剤硝子体内注射
糖尿病黄斑症や新生血管の発生には、VEGFという物質がかかわっていることがわかっています。このVEGFという物質を阻害する薬剤を眼内へ注射します。

硝子体内注射

ステロイドのテノン嚢下注射
糖尿病黄斑浮腫に対して使われます。
眼内ではなく眼の裏側に注射をします。

テノン嚢下注射

硝子体手術
糖尿病網膜症によって起こった硝子体出血や網膜剥離などに対して、硝子体という組織を切除する手術が必要になる場合があります。
当院では、入院手術が必要と判断した場合は、患者様のご希望の病院か当院が連携している病院へすみやかにご紹介します。